子供の矯正治療を行うか否かについて
子供の歯が抜けて大人の歯が出てくる頃からお子さんの歯並びが気になることは良くあります。
- 歯並びが凸凹して八重歯が出ている
- 下の歯が上の歯よりも前に出て受け口になっている
- 上の歯が大きく前に出て出っ歯のようになっているのが気になる
- 歯並びについて近所の歯医者さんで相談するよう学校健診でチェックを受けた
- いつもお口をポカンと開けているのは口呼吸のためで、歯並びが悪くなると言われた
- 両親とも歯並びが悪く、子供も歯並びが悪くなるのではないかと心配である
- このままだと、滑舌が悪くなるのではないか
- 食べ物を、奥歯でしっかりと咬めているのだろうか
- 前歯の見た目は綺麗に並ぶのだろうか
と様々な理由で当院に来られます。もちろん、子供の将来のことを考えたら歯並びが良いことが望ましいと皆さん考えています。
しかし、矯正治療を行った方が良いと言われるが、いつのタイミングが良いのか他に方法はないのか、子供は治療を続けられるのか等々、様々な心配事を相談されます。親としてどのような基準で治療を行うか否かを決めて良いかがわからず困っている方もいます。
実際に、当院に相談で来院された時のことです。
小学一年生のお子さんの、矯正治療を行うか否かを決められず悩んでいたご両親のお話です。
歯並びが凸凹しているため、矯正治療をした方が良いのか相談のため当院に来院しました。ひのまる歯科でも、簡単な矯正治療は行っていますが凸凹が強く、当院では治すのが難しく矯正治療の専門医の先生を紹介をしました。専門医の先生からは歯並びの現状から難しい治療となりそうなこと治療方法のメリット・デメリットは十分説明があり正しく理解していました。
本人は、「矯正治療を行い、元気で格好良いお口になる!!」と、やる気満々です。
お父様は、「早めに始めて、歯を抜かずにすむチャンスがあるなら始めた方が良いと思う。」と前向きです。
しかし、お母様は、「子供の口のなかに大きな装置を入れるのが苦痛ではないかと思うと、可哀想で辛い。もっと大きくなってから歯を抜いて並べても良いのではないかと思う。」と話しながら涙を流しました。
矯正治療のための装置を入れずにすむのであればそれは、誰もがそうしたいと思います。子供に辛い思いをさせてしまうのではないか心配になる気持ちも良くわかります。
しかし、治療で一番大事なのは、本人がやる気になっていることです。
今回の場合、本人は既にやる気になっています。嫌がるのに無理やり装置を口の中に入れるわけではありません。大事な歯を長く使いたい大切にしたいという思いは誰もが同じです。
「本人がより良いお口になりたいと希望するならその気持ちを親としてサポートする。このように考えたらいかがでしょうか?」と伝えたら、治療を行う決心がついたそうです。現状が変わったわけでもないし新しい情報があったわけでもないです。
最後の、帰り際に、「あぁ、スッキリした。胸の中のモヤモヤが晴れました。ありがとうございました。」と笑顔で言われ私も心が晴れました。
歯並びを綺麗にしたい、大事な歯を長く使いたい、大切にしたいという思いがある。お子さんの将来のこと10年後・20年後を見据えての治療の方針を考えたいが、どのように考えて良いか解らない。既に矯正治療の説明を受けたが良く解らなかった、別の先生の意見も知りたい。という方は、お電話でも構いませんのでお気軽にご連絡下さい。
お子様の咬合をチェック
お子様の歯並びの乱れは、本人には自覚症状がほとんどないことはあります。例えば、「食べにくい」「発音が難しい」「噛むのが難しい」といった状態は、その子にとっては当然の感覚そのものであるそのため。歯並びの乱れを「治療すべきもの」と認識することが難しい場合があります。また、見た目の側面で歯並び気になることはないかもしれません。子どもの頃は正常な状態が分からないため、問題について自主的に訴えることが少ないです。
さらに、小児期の歯並びの悪さは、成長や発達に大きな影響が考えられます。将来的に深刻な問題が考えられる可能性があります。
お子様の口腔内の状態は成長に伴って大きく変化するために、成長段階ごとにチェックすることが、お子様の早い段階で問題を発見し、将来的な治療を行うことで、お子様の健康な成長を支援することができます。
小児矯正のメリット
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- 骨格からの歪みを抑えることができる:顎や歯の骨格歪みを矯正できます。これにより、正しい歯並びと噛み合わせを実現します。
- 期間と費用の抑制: 軽度の歯並びの問題については、比較的短期間で効果が得られる場合があります。そのため、治療期間と費用が抑えられることがあります。
- 痛みが少ない:多くの子どもの矯正治療方法は、痛みを抑えた設計になっています。治療中の痛みや違和感がほとんどないのが特徴です。
- むし歯のリスクの低下:特に乳歯や生えたばかりの永久歯には、歯並びの正常化によってむし歯のリスクを下げる効果があります。また、歯のクリーニングがしやすくなるため、むし歯予防にも貢献します。
- 取り外し可能な矯正装置の使用: 取り外し可能な矯正装置を使用している場合、食事の際に装置を取り外すことができ、通常の食事やブラッシングがスムーズに進みます。
ムーシルド(歯列矯正用咬合誘導装置)
ムーシールドは、受け口(下の前歯が上の前歯よりも前に出ている噛み合わせ、反対咬合とも言います)を改善するためのマウスピースです。
使用方法は非常に簡単で、就寝時に装着するだけです。この装置は舌や口周りの筋肉の状態を整え、正常な噛み合わせ促していきます。