前回の投稿とはちょっと違います。
前回の話は、歯周病の進行が著しく、
しっかりと咬む力に耐えられない程に歯を支える骨が失われてしまった歯を
【そのまま】にしたら周りの歯がどうなるのか?
この【そのまま】がポイントです。
何も治療を行わなかったら、隣の歯も歯を支える骨が大きく失われてしまいます。
では、徹底的に治療を行ったらどうなるのか?
を調べた研究です。
問
しっかりと咬む力に耐えられない程に歯を支える骨が失われてしまった歯を
徹底的に治療を行った場合と、抜歯をした場合とで
隣の歯はどうなるのか?
答
Machtei 2007
歯を残して徹底的な治療を行ったグループは、隣の歯を支える骨の喪失を防止し骨が増えた。
隣の歯に大きな悪影響を与えなかった。
しかし、抜歯をした方が骨が増える量が僅かに多かった。
ただし、対象者は全て歯周病を悪化させる全身疾患が無く非喫煙者でした。
保存が絶望的な歯でも徹底的に治療を行ったら、隣の歯への悪影響はありません。
しかし、絶望的な歯は治療をしても咬む力に耐えられないことは変わりません。
隣の歯への悪影響を防止するだけです。
では、実際に歯周病が進行して歯の保存が絶望的で咬む力に耐えられない場合
抜歯を行わず、隣の歯への悪影響も防ぐため、
費用と時間をかけて(それなりにかかると思われます。)徹底的に治療を行うか?
また、今回の研究の結果を踏まえるのであれば、同様に全身疾患が無く非喫煙者なのか?
その歯を残すことに、そこまでの価値があるのか?
等々、様々なことを検討する必要があります。
これらを考えて、患者さんと一緒に
どのような治療計画が良いのかを考えます。