歯の磨り減りは、全人類に認められる生理的な変化です。
その進行が、正常な範囲内なのか?
病的なペースで起きているのか?
病的であれば、何が原因によるのか?
どうすれば、さらなる損耗を食い止めることができるのか?
歯の損耗をシステマチックに分析する方法がかかれています。
Verrett RG: Analyzing the etiology of an extremely worn dentition. J Prosthodont. 2001 Dec;10(4):224-33.
病因の決定
機械的な損耗と化学的な損耗との区別をする。
機械的な損耗とは、歯と歯の直接的な接触。
または、歯と別の物質の物理的な接触によっておきます。
この場合、歯も歯の詰め物も同じように削れます。
化学的な損耗は歯が酸に長時間晒されたことで起きます。
歯が溶けた結果、歯の詰め物は盛り上がったように見えます。
機械的損耗のパターン
1.奥歯を失ってしまい、前歯だけで咬んでいるため前歯が咬耗する。
2.慢性的な歯ぎしり。奥歯も前歯も大きく損耗します。
3.歯ブラシ・歯磨剤による摩耗。
4.その他 針、パイプ、ヘアピン等を繰り返し前歯で咬むことによって特徴的な摩耗を生じます。
ひまわりの種を好んで食べる方は、前歯がV字型に凹みます。
化学的損耗のパターン
1.炭酸飲料水をすぐに飲みこまず、奥歯に貯める癖があるため、奥歯が酸触にて溶けます。
2.果物を頻繁に食べることで奥歯が酸蝕にて溶けます。
3.柑橘類を吸引することで前歯が酸蝕にて溶けます。
4.胃酸の逆流により、酸蝕にて溶けます。
これらの原因分析のためのフローチャートも載っています
原因は一つではなく複数の場合があります。
原因を突き止めて、解決しない限り何度でも同じことを繰り返します。
また、この場合に年齢はとても重要なポイントです
全く同じ程度の損耗でも、20代と80代とでは考え方、対応の仕方が異なります。
ひのまる歯科では
損耗のパターンに応じて、なぜなってしまったのか?
注意深くお口の中を診察し、様々な専門医とも連携して原因を見つけ
解決し損耗を繰り返すことのないよう治療を行います。
また、3Dスキャナーがあるため、
過去のデータと比較し、損耗のペースも容易に判断することが出来ます