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2019.12.02

前歯の見た目、どれくらい見えているのが「普通」なの?

前歯の見た目が気になる。

出っ歯のようだ。唇を閉じようとしても歯がはみ出てしまう。

または

笑った時に、殆ど上の歯が見えない。

等の前歯の見た目、長さ、

もっと具体的には、顔全体の中で上の前歯の先端の位置

これが、どこにあるのが最も見た目が綺麗に見えるのか?

多くの対象者の平均値から適切な位置を調べた研究についてです。

これが、大掛かりな被せ物の治療の時、

「まずは審美から始める」

の審美の基準の1つが決まります。

 

1つ目の論文

Vig RG and Brundo GC (1978): The kinetics of anterior tooth display. J Prosthet Dent 39:502‑504.

1978年に発表された、ちょっと古い研究です。

しかも、被験者数について論文に明確な記載がなく

現代で発表を行うのであれば、問題が多いのは事実です。

その辺りを差し引いて検証をして、治療の時に活用します。

安静時に上の前歯は

男性だと、およそ2mm

女性だと、およそ3.5mm

下の前歯は

男性だと、およそ1,2mm

女性だと、およそ0,5mm

と上の前は女性の方が多く見える

 

また年齢が上がるにつれて

上の前歯の見える量は減るのに対し

下の前歯は見える量が増える傾向にありました。

*加齢と共に唇が下がるのが理由でしょう。

 

これらから、全ての患者さんに一律に

歯の見える量を決めるのではなく

性別や年齢を考慮して治療を行わないと

せっかく治したのに

「不自然」となってしまいます。

そのため、前歯の治療を行う時は

患者さんの顔の写真を撮影し

適切な露出量を予測して治療を行い、

さらに調整と確認を行うことになります。

 

2つ目の論文

Misch CE: Guidelines for maxillary incisal edge position-a pilot study: the key is the canine. J Prosthodont. 2008 Feb;17(2):130-134.

1つ目の論文について

色々と問題があったので、

追試が行われた結果です。

 

上の前歯と犬歯の露出量を計測しています。

この研究では、白人の男性と白人の女性のみを対象としています。

 

結果は

上の前歯の露出量はかなりばらつきがありました。

男性は平均で2.5㎜

女性は3.8mm

ただし、男性よりも女性の方が露出量が多い

加齢によって露出量が減少する。

という結果は、1つ目の研究と同じ結論でした。

 

これらから

前歯の見た目を改善する時には

年齢と性別から、ある程度の予測をつけることが出来る。

最終的には患者さんの顔全体からのバランスで決まる。

そのため、いきなり最終的被せ物にはせず

仮歯を作製し

見た目と、発音と、食事をした時の具合が

問題が無いことを確認してから

最終的な被せ物にします。

 

ひのまる歯科では

「見た目にこだわる」

という一言のために

前歯の先端の位置を決めるだけで

このような検証項目があります。

他にも、歯の形、歯の色、歯茎の形、歯の並びなど

様々にあります。

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