毎月恒例の新作です。
診療所が広くなったように感じました。
以下、吉野真央さんより
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9月
自分だけにとってのものは、
ありますか。私はこれです。
私は気づいてしまった。
これは真夏の通学路であるが、
これを見られるのもあと一回なのだ。
もしかしたら、今回が最後かもしれない。
通学路としての道から見上げる夏の空はもう、
当たり前ではなくなるのだ。
みんなにとっては、
ただの空かもしれない。
でも私は、この下にいるときは、
何もいらない、
感情も意志も、
欲望も全て無くなって裸の自分になる。
歯医者の壁に突如現れたこの空は、
みんなの目に留まった。
これは私にとって特別な一つを、
そのものの強さを表現してみた。
というか、そのものか勝手に表現している。
ただ、貼られただけのそれは、強く、
そのものが持つ威力は隠しきれない。
そして、夏の終わりを告げられた。
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