Celenza FV: The centric position: replacement and character. J Prosthet Dent. 1973 Oct;30(4 Pt 2):591-8.
大掛かりな被せ物や大きな入れ歯を作製する時
上下の歯が咬み合うの位置の基準が解らなくなってしまう事があります。
そのような時に咬み合わせの基準は
顎関節と顔貌から決めます。
この時の顎関節内での下顎の位置はどこが適切か?
およそ、100年位前には、再現性のある位置を優先して
下顎を押し込み、これ以上は下顎が奥に入らない=動かない
という位置を基準にしていました。
でも、これだと上手く咬めない、咬み難いと
治療が上手く行っていませんでした。
そこで、多くの先生達が適切な顎の位置はどこなのかを研究していました。
そんな中、1973年(今から45年前!!)に
無理矢理に押し込むのではなく、
顎関節内の靭帯や周りの神経筋組織の調和がとれる所。
と定義したものです。
予備実験として
中心位にて被せ物をした15人の患者さんが2~12年後に
咬む位置が中心位と一致しているかを調べました。
僅かではあるが、完全には一致していませんでした。
しかし、大きな問題もなく、適切に被せ物は機能していました。
上記が45年前の論文の内容です。
まず、この45年前の論文を知らず、
100年前の【中心位】を現在でも使用していると
誤解(単なる不勉強)している歯科医師の先生が意外と多いんですよね…
(いまだに100年前のDr. Beverly B. McCollumが提唱していた
中心位を基準に論じる先生がいてビックリしました。)
さらに、その後も研究は進み
より、適切な顎関節の位置を決める方法と基準は
アップデートされています。
それは、また別の論文を元に紹介します。