Loomans B, Opdam N, Attin T, Bartlett D, Edelhoff D, Frankenberger R, Benic G, Ramseyer S, Wetselaar P, Sterenborg B, Hickel R, Pallesen U, Mehta S, Banerji S, Lussi A, Wilson N: Severe Tooth Wear: European Consensus Statement on Management Guidelines. J Adhes Dent. 2017;19(2):111-119.
この論文はヨーロッパの専門家による
重度の歯の損耗に対する治療計画のコンセンサスです。
歯の磨り減りは、どんな方にも起こります。
食事などで歯が触れあうことで減っていきます。
生理的な範囲内として、小臼歯で年に15㎛大臼歯で29㎛という報告もあります。
この生理的な範囲を大きく超えて半年で100㎛を超える歯の磨り減りを認める場合もありました。
このような、重度の磨り減りが進行することで
上手く咬めない、歯が痛い、見た目が美しくない、詰め物、被せ物が次々と壊れる
等…
様々なトラブルが起こります。
しかも、全ての歯を治療するような大掛かりな治療を行っても、
根本的に歯の磨りの原因を解決しなければ、何度でもトラブルが起こります。
そこで、この論文の著者は繰り返し
大掛かりな治療を行わず、可能な限り最小限の治療で対応するようにしましょう。
と主張しています。
歯の損耗の原因に対して、適切に対応することで
3,5年間進行を止めることが出来た症例も載っております。
特に3Dスキャンを使用することによって月単位、年単位での進行をデータとして
蓄積できて、歯の損耗のマネージメントが行いやすくなります。
基本的な方針として
・削って詰める、被せるような治療は常に推奨されるものではありません。今以上の損耗を防ぐような治療、カウンセリング、経過観察がまずは検討されるべきである
・もしも、損耗が進行性の物であると判断されたら、その病因を特定し除去する努力をする
・もし、患者さんが無症状で軽減療法が効果的で、それ以上の進行が認められないと判断された場合、そこで改めて患者さんと詰めたり、被せたりする治療の是非について相談をする。もしも、経過観察が選択された場合、その後も2~3年おきに損耗の状態を評価する
・もし、患者さんが損耗に関連して見た目や機能に問題を有し、訴えている場合、治療が行われる。しかし、損耗の主な原因が酸蝕やブラキシズムであった場合、これらの治療は殆どの場合、損耗の進行を抑制するわけでは無い。『最終的な治療』と考えられていた治療が予想よりも短命に終わる可能性は大きい。
このため、治療そのものを開始する時期をなるべく遅らせる。そして治療が必要になった時も、なるべく歯を削らず失われた所を足すような治療を選択すること
ひのまる歯科では
上記の論文のコンセンサスに従って
歯の損耗(歯の磨り)に対する治療計画を行っています。
3Dスキャナーもあり、三次元的に歯の磨りをデータを比較することも可能です。
歯の磨りについて気になる方は、
お電話でもメールでお構いません
お問い合わせフォームよりご連絡下さい。